事前準備から入院、手術、術後、退院までの流れを知る
■入院・手術の流れを覚えておきましょう
実際の手術では、入院が必要になります。入院時の準備は、必要な持ち物のリストなどを病院から渡されることが多いので、ご参考に。入院中は盗難の恐れもあるので、大金は持っていかないようにしましょう。銀行のATMが設置されていたり、支払いにクレジットカードを利用できる病院も増えてきています。
入院時には、入院生活についての説明とともに、看護師から手術後の体の動かし方や呼吸方法、痰の出し方、うがいや排泄の仕方などを教えてもらいましょう。これらは、術後の合併症予防のために重要なので、しっかり確認しておきましょう。
食事は手術前日の夕食までは食べられることが多いですが、手術の内容によっては水分や食事が制限されることもあります。手術前日は入浴やシャワー浴で体の清潔を保つようにしましょう。手術する場所によっては、体毛を剃ることもあります。
当日は、着替えを済ませておけば、後は手術室に移動して手術開始となります。不安はありますが、深呼吸などで心を落ち着けましょう。術後は、回復室や集中治療室などに移動して、呼吸や血圧の状態などの管理が行われます。手術が終わっても合併症の心配があるので、急な痛みや発熱、息苦しさを感じたら遠慮することなく医師や看護師に伝えて下さい。
①入院手続き
②入院準備
③入院
④手術前日
⑤手術当日
⑥手術翌日~2日目以降
⑦退院
■癌を外科的に切除し根治をめざす
癌の治療は「手術療法(外科治療)」「放射線治療」「薬物療法(抗がん剤)」を主として行われます。中でも治療の中心となるのは、局所を取り除く外科治療です。特定の臓器に腫瘍をつくる癌の場合は、原則的には手術で癌の病巣を取り除く方法が選択され、根治を目指すのが理想といえます。
現在の外科治療は、切除の範囲からみると拡大と縮小の2極化が進んでいます。従来は手術不可能であった癌も拡大手術による対応が可能になったり、大きく取り除いても、切り取った臓器や器官を新たにつくり直す「再建術」も進んできているからです。
反対に、切除する範囲を最小限にして体に与える負担を少なくする手術も定着してきています。縮小手術には、内視鏡を用いて行う切除や、レーザーなどで患部を焼灼する方法も含まれます。
具体的な手術内容は、癌の種類によります。