ガン治療を受ける前に情報収集する
末期癌治療を詳しく知る大切さ
■ガン治療を受ける前に大切な情報を収集する
ガンと告知されるのは、とても衝撃的なことです。”ガンの疑いがある”と言われてから、結果が明らかになるまでも、辛く不安な日々を過ごさなければならないものです。
しかし、病気のことや検査、治療、療養生活について知ることで、知らなかったことで漠然と抱えがちな不安が軽減されることがあります。納得のいく治療や受けたい支援を検討する際も、こうした情報が大いに役に立ちます。
ここでは、ガンの疑いありと言われた時点から、
精密検査 ⇒ 告知 ⇒ 気持ちの整え方 ⇒ 病院選択 ⇒ 治療方法の決定 ⇒ 実際の治療 ⇒ 療養生活
という、多くの人が進むステップの順に分かり易く解説します。今必要な情報をつかむ手立てにして頂けたらと思います。
①自分にとって今、何か一番必要な情報なのかを考える
ガン検診の結果によって”ガンの疑いあり”と診断されると誰でも気が動転してしまうものです。疑いのあるガンがどのようなガンなのかを、しっかりと調べることが大切です。自分にとって何が役に立つのか、内容は信頼できるのかを注意して情報を集めましょう。
②ガン体験者の話を聞いてみる
同じ経験を持つ患者の話を聞くことで、気持ちが楽になったり、治療生活を送るうえで心強くなったりします。患者会、患者サロン、ピアサポートなどの集まりがありますので、参加してみるのも良いことだと思います。
③疑いがあるガンがどのようなものかを知る
精密検査を受けるまでに待たされて時間がかかることも多いものです。ガンに関する知識を得るために、書籍やウェブサイトを参考にしてみて下さい。自分の状態やこれから行われる治療の流れを理解し、治療に向けての心構えをつくって下さい。
④自分を一番よく知っている主治医や担当医の話を聞く
患者を直接診ている主治医や担当医が、その人の症状を誰よりもわかっている存在です。あなたの希望を伝えれば、あなたに最も適した治療方法を提案してくれます。聞きたいことを事前にメモして持参すると、聞き漏れを防げます。
⑤セカンドオピニオンを活用する
すべて主治医や担当医に従う必要があるわけではありません。医師によって診断が違う事もありますし、治療方針が全く違う場合もあります。他に希望する治療方法があったり、主治医や担当医が提案した治療方針に納得がいかなかった場合は、別の病院ヘセカンドオピニオンを求めても構いません。自分にとってのベストを選ぶことが大切です。
※私の父の末期癌完治の闘病記も参考にして頂ければ幸いです。
”ガンの疑いがある”と診断を受けて不安になるのは誰しも当然のことです。先の見えない不安感を軽減するには、「ガンになるとどんな症状が起こるのか」「自分でできることは何か」など、病気の進行状況も含めて正しい知識を知ることが必要です。
現在ガンは日本人の2人に1人がかかるといわれています。芸能人などの著名人がガンであることを公表するとそれだけでニュースになりますが、あなたの身近にもガンを体験した人がいるのではないでしょうか。もし可能ならガンの闘病生活を体験した人から実際の体験を聞き、「どんな状況だったのか」「困ったことは何か」などを知ると参考になると思います。
■病気や治療情報の集め方(複数回答:回答者2334名)
ガンと診断されてから、治療を行うまでに自分の病気や治療についてどのように情報を集めたかを聞いたところ、「医師・薬剤師・看護師」が約7割に及びました。その他は、「書籍・雑誌」「ウェブサイト」が約5割です。自由解答欄には、この2つは事実かそうでないか判断しづらい書籍や雑誌、ウェブ情報があり、情報を理解し、信用できると判断することが大切になるという意見がありました。
病気や治療の情報の集め方 実数 %
医師・薬剤師・看護師 1610 69.0%
書籍・雑誌 1148 49.2%
ウェブサイト 1077 46.1%
家族・友人・周囲の人 883 37.8%
病院・製薬会社作成の冊子やパンフレット 727 31.1%
テレビ・ラジオ 492 21.1%
患者・患者団体・患者支援団体 483 20.7%
新聞・広告 331 14.2%
相談支援センター 157 6.7%
その他 33 1.4%
注)無回答を除き集計した結果。出典:「がんの社会学」に関する研究グループ「2003年ガンと向き合った7,885人の声「ガン体験者の悩みや負担等に関する実態調査」)(静岡県立静岡がんセンター)
■ガンと分かってから知りたかったこと
がん体験者に「診療上の悩み」「身体の苦痛」「心の苦悩」「暮らしの負担」について、治療開始前から治療終了後を3期間に分けて聞きました。心の苦労は、治療前よりも治療後のほうが多い結果となっています。
診療 体 心 暮らし
全体 52.5% 37.6% 2.5% 7.4%
治療開始前 56.8% 30.9% 1.5% 10.7%
治療中 50.5% 41.6% 3.1% 4.8%
治療終了後 43.8% 49.4% 4.2% 2.6%
※治療終了後は心の問題について知りたくなる傾向にあることが分かる
出典:「がんの社会学」に関する研究グループ「2003年がんと向き合った7,885人の声(がん体験者の悩みや負担等に関する実態調査))(静岡県立静岡がんセンター)
■病気や治療情報の集め方(複数回答:回答者2334名)
ガンと診断されてから、治療を行うまでに自分の病気や治療についてどのように情報を集めたかを聞いたところ、「医師・薬剤師・看護師」が約7割に及びました。その他は、「書籍・雑誌」「ウェブサイト」が約5割です。自由解答欄には、この2つは事実かそうでないか判断しづらい書籍や雑誌、ウェブ情報があり、情報を理解し、信用できると判断することが大切になるという意見がありました。
■ガンと分かってから知りたかったこと
がん体験者に「診療上の悩み」「身体の苦痛」「心の苦悩」「暮らしの負担」について、治療開始前から治療終了後を3期間に分けて聞きました。心の苦労は、治療前よりも治療後のほうが多い結果となっています。
■米国国立がん研究所がん情報サイト
米国国立がん研究所が配信する日本語版「がん情報サイト」。世界最大かつ最新の情報を得られる。ただし、日本国内で認められていない診断・治療方法の情報も含まれています。
http://cancerinfo.tri-kobe.org/
■国立がん研究センターがん情報サービス
国立がん研究センターが情報発信をしている「がん情報サービス」には、日本で行われているガン治療に関する情報が網羅されている。最新情報もあるので、まずチェック。
https://ganjoho.jp/public/
医療情報のサイトで最新情報に触れる
現在は最新の医療情報もインターネットのウェブサイトで集められる時代です。ガンの情報を集めたサイトや医療に関するニュース記事、体験者のブログや医療機関が発信するサイトなど多岐にわたります。これらを閲覧するうちに、自分に疑いのあるガンの概要や治療の流れなどが理解できる事でしょう。
ガン治療も日進月歩であり、どんどん新しい手法が現れます。新しいものならよいというわけではないですが、それまで難しかった治療ができるようになったり、特定の治療が保険適用になるなど最新の動向が得られるのもウェブサイトの強みです。ただし注意したいのは、記事が客観的な視点に立ち、内容も正確なものかどうかを見極めることは必要です。また、ガン検診において国情の違いもあり、アメリカのスタイルをそのまま日本で要望しても無理な場合が多いのも事実です。
また最新のガン治療の情報はウェブサイトに限らず、新聞や書籍などのほか、市区町村や医療機関の情報コーナーなどにも公開されていますので併せて活用して下さい。