完治のために末期がん治療を知る~タイトル
完治のために末期がん治療を知る~タイトル

ガンの症状と治療法

 
末期癌克服への架け橋区切り線

末期癌奇跡の完治h2
ガンはどのように進行していくか

  
末期がん克服への懸け橋イメージ

末期癌克服への懸け橋

 

前述では、ガンがどうやって生まれてどうやって大きくなっていくかということを書いてきました。ここでは、ガンが私たちの体にどのような影響を及ぼすかということを書いていきたいと思います。
 

ガンは大きくなったところの機能を傷つけます

 
前述で、ガンの正体とは「無制限に増えていく細胞の固まり」だと書きました。そして、増えていくうちにその細胞の中で司令塔である遺伝子がまた傷ついて、増殖のスピードが上がるものが出てきます。ガンができてくるとき(二十歳頃)から発見されるくらいの大きさになるまでよりも、ガンが見つかってから治療しないで放っておいたときに皆さんを死に追いやるまでの時間が短いのはこのためです。
 
ガンは何故人の命を奪うのでしょうか。ガンは細菌やウイルスのように私たちに感染して体内で毒素を放出したりしません。ガンも細胞の固まりですから、当然細胞内でいらなくなったものを放出しますが、それもほとんどは周りの細胞と同じものです。ですから、ガンが目立った毒を出しているなどということはありません。
 
ガンは元々、体のある部分の細胞です。そしてその細胞は何らかの働きをもっています。しかし、ガン細胞になり無制限に増えるようになると、その機能を乱します。
 
例えば、胃がんや大腸がんのような消化器系のガンでは消化機能を傷つけてしまうので、胃の調子が悪くなったり排便がおかしくなったりします。これはガン細胞の増えた臓器の働きが障害されていることを示しています。
 
また白血病では、白血球という私たちの体を守る血液中の細胞が異常に増殖します。これは白血球を作る骨髄という場所の細胞に異常が起こり、どんどん白血球を出しているからです。
 
私たちの体は60兆の細胞が集まり、調和を保って生きています。ガン細胞はその調和を乱すことで我々を苦しめるのです。調和が乱れるために、私たちの体にだるさが生まれます。ほとんどのガンの患者さんが倦怠感をもたれるのはこのためです。
 

良性腫瘍は増えるだけですが……

 
ガンは細胞の異常な増殖で大きくなると書きました。これは体のほとんどどの部位にでもできる可能性があるのです。初め、ガンは周りの細胞と似たような性質をもっているのでなかなかわかりませんが、ある程度大きくなると存在が確認できます。
 
最初はほとんど周りの細胞と変わらないので、私たちは何ら症状を感じません。事実、周りの臓器に影響を及ぼさなければがんはただのできもので、良性腫瘍といいます。昔話に出てくるこぶとりじいさんのこぶは、もしかしたらがんの元なのかもしれませんが、彼はこぶがあるからといって何の障害も受けていません。
 
また、たまに腰の辺りにサッカーボール大の腫瘍ができたので取って欲しいと来院される方もあります。別に体に症状を及ぼしていないので生死に関わることではないのですが、生活に不自由だからということで来院されます。つまり、これもガンの特質を表しています。それは、周りに傷を与えなければただ増えるだけであるという性質です。
 

ただ増えるだけでも危険ですし、いつ悪性化するかわかりません

 
ガンは悪性化しなければただのできもの(腫瘍)という言葉をよく聞きますが、正確には違います。その細胞の固まりが、いつさらに増殖するような性質を帯びて悪性化するかわかりません。また、ただ増えるだけでも周りの臓器を圧迫すれば、それだけで恐ろしいのです。
 
この例として脳腫瘍があります。先はどの例を見ても、サッカーボール大の腫瘍は体の外側に向けて増殖していたから生死に関わることはありませんでした。もしも体の中で良性腫瘍ができていたとして、それが野球のボールくらいの腫瘍であれば、おそらく圧迫により臓器を破壊したり、血管を破るなどして私たちの命を奪います。生命の中枢と呼ばれる脳では、ゴルフボールくらいの良性腫瘍があればかなり危険な状態です。ですから良性腫瘍は決して「性質がいい」とは言い切れないのです。充分私たちにとって害をなす可能性のあるものです。発見されればすぐに切り取るなどの処置をとるのが一番です。良性腫瘍というのはただのできものですから、ほぼ100パーセント治ります。早期発見が一番というのはこのことなのです。
 

良性腫瘍から悪性腫瘍へ

 
ガン細胞は、増えていくうちにじわじわと悪性化していきます。良性から悪性への進行の度合の定義は人によって違います。当然のことですが、昨日は良性で今日は悪性などという定義はできません。良性腫瘍はただ増殖するだけの傾向が強く、悪性腫瘍は周りの細胞に迷惑をかけていこうとする傾向が強いという性質があります。一つの細胞がある程度の大きさになり、さらに分裂、増殖していく中で悪性化していくのです。
 
悪性化すると、ガン細胞はできた臓器の深くに進んでいきます。これを浸潤といいます。そしてガン細胞の浸潤が血管やリンパ管などの体中を駆け巡る部位に達すると、体中に移っていきます。これを転移といいます。そして、ガンが初めにできた部位(原発巣)から、移った場所(転移巣)でさらに増えていくのです。
 

癌が転移すると

 
どうしてガンが再発するのかというと、手術などでガンを切り取ったとき、小さな部分での取り残しがどうしても出てしまうことがあるからです。また、最初にがんができていた部位、つまり原発巣以外にガンが転移していて、その転移巣で増えている場合もしばしばみられます。
 
転移のルートとなる血管やリンパ管は、栄養を運び、また細胞の防衛機構である免疫の防衛機能に必須の道路のようなもので、体中の全ての臓器につながっています。
 
ですから、転移が確認されると他の部位にもガン細胞が移って増えている可能性があるので、体中のガンをたたく(攻撃する)抗がん剤療法を用います。また脳や肝臓など、私たちの生命の中心を担う臓器に転移している可能性もあり、大変注意を要する治療だといえるでしょう。
 

ガンの治療法

 
上では、ガンが私たちの体に与える影響について書いてきました。ここからは、ガンに対してどのような治療法があるのかということについて書いていきたいと思います。
 

検査、診断、治療の3ステップ

 
上で説明した通り、ガンは何もしないでいると次第に大きくなり、大きくなることだけでも危険な影響を私たちに及ぼします。また、じわじわと大きくなるうちに悪性の性質を帯び、血管やリンパの流れにのって転移してしまいます。当然、私たちはガンを発見した段階で、どのくらいガンが進行した状態であれ、何らかの治療をしていかなくてはなりません。しかし、患者さんによってガンのできる場所、進行の速さ、体力などは全て異なります。それに従って一人一人の治療法は変わってきますし、使う薬の量なども当然違います。
 
ですから、皆さんの体の状態についての情報をまず集めなくては、効果のある治療は望めません。いろいろな検査をして皆さんの体の情報を集め、そして複数の医師による確定診断がくだされます。そしてその診断に従って治療法がいくつか考えられ、皆さんがそれを選んで受けるということになっています。検査それ自体には何の治療効果もないので軽んじられがちですが、きちんとした診断及び治療を行う基本なのです。
 

いろいろな検査

 
検査にはいろいろな種類があります。血液検査や尿検査、レントゲンなど昔から行われているものから、CT(X線で体の断面を見る検査法)、MRI(磁気の力で体の中を見ます)など、現代の科学を駆使したものなどに至るまで、きっと検診や入院中の検査のときなどに経験なさることでしょう。その中でも血液検査や尿検査は、皆さんの体の状態を知るのに最も重要です。
 
レントゲンやCTなどは、体の内部の写真を撮ってガンがどこにあるか、ガンはどのくらい大きくなったかということを調べますが、血液や尿からはその人の栄養状態、酸素がきちんと体中に回っているか、体の調和がうまく保たれているかということが直接わかります。ですから患者さんの状態を知るために毎日採血をしますが、それは患者さんの状態をきちんと知るためなのです。白血病では、この血液からの情報がほとんど患者さんの状態を表しているといっても過言ではありません。
 

何を狙って治療が行われるのか

 
ガンの治療法はいろいろありますが、どの治療も目標は「ガン細胞の固まり、すなわち腫瘍を体からなくす」ということにつきます。しかし、腫瘍を体からなくすと一ロにいっても、いろいろな方法が考えられます。現在では手術、放射線で焼ききる放射線治療、そして抗がん剤などによる化学療法などがあります。手術は腫瘍をまるごと取り除くものです。放射線治療はガン細胞に放射線を当ててつぶしてしまうものです。この二つは、体のある部分にできたガンをたたくのに適しています。三つめの抗がん剤は腫瘍が大きくならないようにする、様々な薬による治療法です。薬剤なので体中のどこにでも行き渡らせることができ、転移が疑われるときに有効です。
 
実際には、この三つの治療をいろいろと組み合わせて用いることが多いのが現状です。例えば、手術で腫瘍を切り取ったが少しガンが残っていたり転移していたりする可能性のあるときは、抗がん剤も用います。
 

手術に付随する難しさ

 
手術は、発見されたガンを体の中から直接取り出すという、ある意味非常にわかりやすい方法です。現在では内視鏡手術などというほとんど開腹をせずに治療する方法も可能になり、手術中に亡くなるケースは非常に減ってきました。
 
しかし、一口に切り取ると言ってもなかなか問題があります。ガンは早期の頃は周りの細胞と見た目もあまり変わりません。ですから、ガンを切り出すときには、手術をしている医師はいつも悩みます。「ガンが進行していると疑われるところまで全部取った方が安全だが、それは健康な部分も切り取ることになる。どこまで切ればいいのか」ということです。
 
例えば胃がんの場合、全て摘出するか三分の二摘出するかといったことが選択肢に上がってくる場合もあります。そのときに、手術前に患者さんと医師との間で、どのくらい切ればどのくらいの確率で取り残しがなくなるかということを話し合っておかないと、後で取り返しのつかないことになります。胃の場合、切れば当然食物の消化に影響が出ます。また、何も切り取らなければ命に関わることもあります。ですから、患者さんは切る量によるメリットとリスクを考え合わせたうえで、選択をすることになります。
 


 

手術をする医師の立場から

大阪大学医学部附属病院消化器外科科長(病態制御外科教授)門田守人先生からのコメント
 
外科手術は、固形がんで、限局した(限られた)場所にできたガンを切り取るときに主に用いられます。外科手術は、転移を起こす前の段階で行うことに非常に意義があります。限局した部位のがんを「きれいに」「確実に」切り取ることを目指すのが外科の歴史の長い流れです。
 
手術をする場合には大きく分けて二つの方向性があります。一つは、ガンが周りの組織にも進んでいる可能性があるときに、再発を防ぐためにも、ガンが広がっている可能性がある場所をできるだけ切り取る方向です。これを拡大手術と言います。もう一つの方向としては、乳がん、甲状腺がん、子宮頸がんのように早期発見をすれば、ほぼ治る対応していきたいと日々努めています。
 


 

ガン細胞を狙い撃ちする放射線治療

 
放射線治療というのは、文字通りガン細胞に放射線を照射してガン細胞を死滅させるものです。この方法は、脳腫瘍や乳がんなどで最近非常に注目されるようになってきた治療法です。しかし、放射線というと私たちの頭の中にはぬぐいきれない恐怖があることは否めません。相次ぐ原発事故、様々な放射性物質の誤用による被害、そして何よりも私たち日本人の頭に思い浮かぶのは広島、長崎に投下された原子爆弾の放射能でしょう。原爆の影響により、今もなお多くの方が、放射線の影響で、白血病などに苦しまれている事実があります。放射線には人の細胞を殺す作用があるのです。
 
しかし、私たちが日々浴びている太陽の光の中にも、放射線(紫外線など)が含まれています。紫外線は放射線の一種ですが、当たりすぎなければ皮膚がんをひき起こすことはありません。
 
放射線は細胞を殺す効果があるので、当然ガン細胞も殺します。ですから、ガン細胞を狙い撃ちすればガン細胞だけを死滅させることができるのです。放射線の量も人体に影響を与えるほどではないので安全です。
 
一つの技術でも、使い方によっては人を殺すものと人を助けるものになるという事実を、如実に表している例ではないでしょうか。
 


癌の放射線治療について

大阪大学医学部附属病院放射線科科長(医用制御工学教授)中村仁信先生からのコメント
 
放射線治療は手術、化学療法と並んでガン治療の三本柱の一つですが、その特徴は機能温存的治療で、例えば喉頭がんでは、手術をすれば声がでなくなりますが、放射線治療を行うと発声機能を温存したままガンを治療できるというケースがあります。ここでは皆さんがよく疑問に思われる部分を取り上げて説明していきます。
 

放射線が効く理由

 
放射線はどうやってガン細胞を殺すのでしょうか。人体の細胞に放射線が照射されると細胞内の水に作用して、様々な活性酸素というものが作られます。活性酸素はDNAを傷つけ、細胞はこれを修復しようとしますが、ある程度以上になると修復できず、細胞分裂ができなくなって、細胞は死ぬことになります。この場合、増殖の盛んなガン細胞ほど影響を受けやすく、治療の効果が期待されます。ガン細胞だけでなく正常の細胞も影響を受けますが、放射線は一回に大量に照射するのではなく、適当な量を分割して照射するので、照射と照射の間の回復力が大きい正常細胞は影響が少なく、主としてガン細胞が死滅するのです。
 

どんなときに放射線治療が行われるのか

 
放射線治療はガンの治療として行われますが、全てのガンに対して行われるのではありません。大きく分けて、①放射線治療だけでガンを完全に治療してしまおうという場合(根治治療)と、②痛みや呼吸困難、嚥下(飲み込むこと)困難を解消する場合(緩和治療)とがあります。①の根治治療の中には、手術より早く治るから放射線で治療する場合と、手術でも放射線でも効き目は変わらないけれども、機能が温存できるので、放射線で治療する場合が考えられます。②の緩和療法には、ガンによって気管や脊髄などが圧迫されたりした場合の緊急的な治療と、緊急性はないけれども「生活の質(QOL)」を高める目的の治療があります。この他にも③抗がん剤との併用、手術との併用で放射線治療が行われ、これを集学的治療と言います。手術と併用するものも様々なケースが考えられます。手術前に照射してガンを小さくしたり、周りの散っているガン細胞をたたく術前照射や、手術でがんが取りきれない場合に術中照射をしたり、ガン細胞が残っている可能性のある部位やリンパ節を照射して手術成績を高めようとする術後照射などがあります。このように、放射線治療は、ガン治療において、様々に組み合わされています。
 

放射線治療の副作用

 
放射線は正常細胞にも作用するので、放射線治療は何らかの副作用を伴うことが少なくありません。副作用は照射部位、放射線の量によって様々ですが、全身の反応として、倦怠感、食欲不振、吐き気があります。普通は数日で消失しますが、症状が強いときは一回の照射量を減らし、受ける期間を長くすることにより症状を軽くします。
 


 

全身に散らばったがんをたたく化学療法

 
抗がん剤を使う治療法は、化学療法と呼ばれています。ガン細胞を外から切ったり、焼き殺したりするような派手さはありませんが、体の各所に転移してしまっている可能性のあるガンをたたくのには最良の療法です。手術や放射線でたたききれなかった可能性がある場合によく併用して用いられます。このように、いろいろな治療法を併用するのが今日では主流になってきているそうです。
 
抗がん剤と一口に言ってもその種類は膨大であり、日々多くの研究者がより効果のある抗がん剤を作り出そうとしています。ガンば細胞の無制限な増殖が原因だと書きましたが、その細胞の増殖にはいろいろなステップがあります。よって、細胞の分裂をさせないようにする、細胞の膜を攻撃する、細胞に栄養を与える血管から栄養がガンにいかないようにする、転移を抑制するなどなど……非常に多くの攻め方が、化学療法の場合は存在するのです。特に白血病に代表される血液細胞のガンの場合は、骨髄移植などのメインの治療を支えるためにも化学療法、つまり抗がん剤及び副作用を抑える治療法は必須のものになってきています。しかし、抗がん剤ではがんを消滅させる能力は弱いので、手術や放射線などとともに受けるのが普通です。
 

効果もあれば副作用も……

 
しかし、この抗がん剤にはデメリットがある場合があります。まず、ガン細胞といっても私たちの正常細胞とほとんど性質的に変わらないので、ガン細胞だけをたたくということがなかなかできません。吐き気や脱毛などの副作用が起こるケースもしばしばあり、その場合はさらに違う薬で症状を抑えることもあります。
 
また、私たち一人一人に現れる抗がん剤の効用や副作用は様々です。それは私たち一人一人が異なる身長や顔立ちをしているのと同じ理由です。治療を受けてみて、こんなに苦しいのに効かないなら、しなければよかったとおっしやる方もいれば、全然苦しくなかったのによく効いたとおっしやる方もおられます。
 
ですから最近では、いろいろな抗がん剤を組み合わせた多剤併用療法が一般的なのです。
 


抗がん剤について 薬剤師の立場から

大阪大学医学部附属病院薬剤部 岡本禎晃先生からのコメント
 
「ガン」は元々自分の細胞であったものが、増殖が制御不能になった結果生じた、自分以外の生命体と見ることもできます。通常、ガンの種類や進行度によって手術や放射線治療や薬物療法などが選択されます。それぞれの分野でなるべく正常な細胞を傷つけることなく、最大の効果を上げるための努力が世界中の先進国で行われています。薬物治療においても植物などからの画期的な新薬、抗がん剤の埋め込み治療や、さらに遺伝子治療など、効果的で副作用の少ない治療法の開発が進められています。ガンができるメカニズムが完全に解明され、人類がガンを克服できるのはそう遠くはない未来である可能性が示されています。
 
このような可能性はさておき、抗がん剤治療が行われるに際して一番重要であるのは、ご本人、そしてご家族が何を望まれ、どういうことをお知りになりたいかということではないだろうかと思っています。あるいは逆に、患者さんご本人は何も聞かないほうがよい、知らないほうが耐えられるといったこともあるかもしれません。医師はガンの場所や進行度、転移の有無などから考えられる治療について説明します。私たち薬剤師も入院患者さんが様々な薬物療法を受けられる際に、病室で直接患者さんにお会いしてお話を伺います。その目的の一つは治療のモニタリング、つまり治療効果が上がっているか、副作用が現れていないかをチェックさせていただくことです。治療が行われる以上最大限の効果を上げ、副作用を極力抑えることが重要です。そのために、例えば水分がとれているか、尿がきちんとでているか、便秘はないかといったようなことをお尋ねします。使用されている薬剤の種類によりモニターさせていただく内容は異なります。また、患者さんやご家族が市販の薬草や健康食品を併用されたいといった場合も、是非相談させていただきたいと考えています。その理由は健康食品の影響で、抗がん剤の作用を強くしたり弱めたりするといったことが起こりうるからです。医師、看護師と共に身近な相談役として薬剤師に、些細なことと思わず何でもご相談ください。


 

ガンはどこにでもできるので治療法も一人一人違います

 
今まで挙げてきたように、ガンの治療に必ず行われるものとして手術によるもの、放射線によるもの、薬によるものの三つがあります。その他にも苦痛を取るもの、臓器を移植するものなど、非常にたくさんの治療法があります。
 
ガンは体のどこにでもできる可能性があるので、体中の治療法が選択肢に上がってくるわけです。しかしここでは、中心になる治療法三種類に絞らせていただきました。
 


ガンの治療は一人一人の状態によって様々に組み合わされます

大阪大学医学部附属病院消化器内科科長補佐(分子制御治療学講座教授) 林紀夫先生からのコメント
 
一口にガンの治療と言いましても、私たち一人一人が違う人間であるように、治療法も一人一人異なります。大きな治療法は手術、放射線、抗がん剤などの化学療法ですが、皆さん一人一人の状態に応じて様々に組み合わされていきます。一つの例として、私の専門である消化器のガン、つまり食道、胃、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓などに発生するガンを見てみます。いずれのガンに対しても治療法の第一選択は手術ですが、何でも切ればいいというわけではありません。転移などが認められる進行ガンの場合や、心肺などに重い病気のある場合、そして手術後に臓器の残った部分に機能障害が予想される場合には手術はベストな治療法とは言えず、内科的治療(薬や放射線などで徐々に治療してゆくこと)が選択されます。特に肝臓の場合は、切り取りすぎると、手術後に肝臓の機能が落ちることが往々にしてあるので、内科的治療が選択されることが多いようです。
 
そして内科的治療を選択した場合にも、抗がん剤を用いたもの、放射線を用いるもの、そして内視鏡や超音波を駆使してガン細胞をたたく直接的内科治療の三本柱を組み合わせながら治療は進められていきます。例えば、切除不可能とされる食道がんの場合は、抗がん剤とともに放射線による治療が一般的です。
 
そしてこのような一人一人のガンの状態及び体力に基づいた治療も、基本となっているのは正確な検査、診断や患者さん本人の病気に対する認識です。一昔前は、どうしようもなかったガンも最近では、回復の見込みが出てくるものが非常に多くなってきました。
 
しかし、長年の経験から言えることですが、患者さん本人の闘病への意欲がとても大切で、治療成績にも大きく影響していると思います。我々、医療者も一人一人に精一杯のベストな治療をしていきますが、やはり患者さんの自分の治療に対する前向きな姿勢も大切だと思います。是非、治療を受ける際には、我々の治療法の説明に耳を傾け「一緒に立ち向かう」という姿勢を作っていこうではありませんか。


 

治療効果を上げるためにも

 
ガンは生活習慣病の一つなので、その発症には食事やストレスなどのライフスタイルが関わってきます。ですから大きくなってしまったガンについては仕方ないとして、再発を防ぐためにも、治療がうまくいくためにも、ガンを作らせないようなライフスタイルの改善がどうしても必要です。それを次の章で詳しくお話しします。
 
ガンの治療はその性質上、どうしても不安になってしまう部分が多くあります。そのときにやはり心の支えになるのは家族や友人、そして医師や看護師などの医療者なのです。治療を受けるときには入院するケースが多くなり、ストレスや不安が溜まっていくことになります。その不安と立ち向かうのは患者さん本人ですが、家族や友人の暖かいサポートでかなり軽減できるはずです。
 
 

まとめ

 

  1. ガンは細胞が無制限に増殖していくものですから、その増殖により周りの組織を圧迫したり、機能が亢進したりする(働きすぎる)ことにより症状が出てきます。

  2. ガンは主に良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられますが、一つのガン細胞の元から良性腫瘍に変わり、悪性腫瘍へと順に進行していくので、腫瘍があれば充分治療する価値があります。

  3. ガンの治療法には手術、放射線治療、化学療法の三つが主に行われています。患者さんの体力、症状、がんの部位により、治療法はそれぞれ考えられ、一人一人に違った治療が行われるということになります。

  4. 治療を受ける本人は様々な選択をしなくてはならず、また治療自体に対する不安や疑問も多く存在します。ですから、医療者だけでなく患者さんの周りの人たちが、上手にサポートしていくことが大切です。

 
 

著書:やさしい「がん」の教科書 
 
末期癌克服への架け橋区切り線

 

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